受け継ぐ技・追求する美
「丹波焼アーティスト」の挑戦

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プロジェクト参加者紹介

古来製法による伝統的な陶器「丹波焼」。立杭/丹文窯四代目 丹波焼アーティストの「大西雅文氏」にインタビューを行いました。

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【丹波焼アーティスト】
大西雅文

【オフィシャルページ】
丹文窯

【電話】
079 - 568 - 1031

【経歴】
昭和55年_丹文窯四代目後継者として兵庫県篠山市に生まれる。
平成12年_大阪芸術短期大学部 デザイン美術科工芸専攻する。愛知県瀬戸市の加藤氏により、霞仙陶苑にて修行を始める。
平成16年_立杭/丹文窯にて作陶を始める。
平成17年_兵庫県加古川市のヤマトヤシキ百貨店に於いて初めての個展を開く。グループ窯へ入会する。
平成18年以降_神戸大丸、阪急梅田本店、海外(アメリカはニューヨーク、ポートランド)・(フランス)・(台湾)・(韓国)などで、個展・グループ展を精力的に行う。

【コラボ企画・提供・販売】
グループ窯、炭焼笑店 陽、鶏屋 國型製作所、Tapir、あじ蔵、lotta

【掲載】
陶工房 No.65特集「多彩な丹波焼」

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丹波焼 全国でも珍しい蛇窯(登り窯)を使い続けるのは、丹波焼の精神だから。

陶芸アーティストの道に進んだきっかけとは

きっかけは、家業として丹波焼があった事と850年の長い歴史がある丹波焼きの地に生まれたと言う、ただそこからでした。
「この道でやっていく」という自分の意思での覚悟が生まれたのは、霞仙陶苑(加藤裕重氏)の元で修行を経てからです。
この時、僕自身が丹波焼と言う焼き物の魅力にハマってしまったんです。
「家業として継がなくてはならない」と言うのではなく、「これからも丹波焼を焼き続けていきたい」と心の底から思いました。

地場産業や伝統技術の現状について

国選択無形文化財・県指定有形民俗文化財として指定されている事もあって、丹波焼を見たり聞いたりした事がある人は多いと思います。
でも、“丹波焼がどうやって出来ているのか”つまり“丹波焼とは何なのか”はあまり知られてないように思います。
僕は色んな活動を通して、丹波焼の伝統の素晴らしさを知ってもらいたいです。そして丹波焼の精神である蛇窯(登り窯)を知ってもらいたいのです。

今後の活動や目標など

丹波焼は名前自体は有名なんです。でも、完成された丹波焼だけ見ても、どうしてこれが丹波焼なのかは伝わっていないように思うのです。
だから僕は蛇窯(登り窯)の面白さや、蛇窯で焼き上げられた作品しか生み出す事ができない色合いの奥深さを伝えるために個展活動や体験教室を開催して、丹波焼の魅力と他の陶芸との違いをこれからも伝えて行かなければならないと強く思っています。

登り窯で包丁の柄を焼き上げるなんて聞いたことがない。純粋に面白い。

なぜこのプロジェクトに参加したか

純粋にとても面白いと思いました。今まで登り窯で焼き上げる包丁の柄なんて、作ったことも聞いた事もありません。
歴史の中でも丹波焼の作品は日用雑器が主なものなので、丹波焼を知ってもらう事を考えた現代のニーズに合わせた作品として包丁の柄はピッタリだと思いました。丹波焼に新しい可能性が生まれるかもしれません。
僕自身いつもは酒器や茶器、花入れなんかを作っているのですが、これからも作陶を続けていく中で、また違った目線でものづくりをする為の良いきっかけになるとワクワクしています。

プロジェクトを通して伝えたい事など

丹波焼で一番大切なのは、まず原材料となる土です。土にこだわり、焼きにこだわるからこそ、丹波焼は他の陶芸の中でも特別なんです。
古から伝わる“登り窯”を使う事で「古丹波の精神」をこれからも大切にしつつ、時代に合わせ日々改良を重ねた作品を世に生み出していくことで、たくさんの人が丹波焼の魅力に触れられるよう、伝統の製法を受け継いで行きたいと思います。

子どもたちへのメッセージ

蛇窯(登り窯)を使って焼くいた包丁の柄というのは本当に珍しいのですが、この一般の家庭でも必ずある「包丁」と言うツールを通して、丹波焼を直に「見て」「触れて」「感じて」もらえるものがあると嬉しいです。
兵庫県なら教科書にも記載があるのですが、歴史ある丹波焼のイメージ(遠い過去の技術)ではなく、現代でも色んな用途で使える可能性に気づき、日常の身近な所で普段使いが当たり前の丹波焼のイメージが広がれば嬉しいです。