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本鍛造で叩き出した刃を極限まで研ぎあげる
日本最古の鍛冶の町・兵庫県三木市の職人魂
日本最古の鍛冶の町として名を馳せる三木市から2人の職人が、包丁の命である刃を担当。
田中一之刃物製作所四代目の田中誠貴は、本鍛造(ほんたんぞう)で包丁を作ることができる三木市唯一の鍛冶職人。
本鍛造とは、熱した鋼をハンマーなどで一本一本叩き、鍛え上げる製法のこと。
現在流通している和包丁の多くがプレス機などで切り出されたものであることを考えると、本鍛造の刃がいかに貴重かが分かります。
もちろん貴重なだけではなく、不純物を叩き出した本鍛造の刃は強度も折り紙つき。一本一本異なる美しい波紋が本鍛造の証です。
こうしてできた刃を仕上げるのが、三寿ゞ刃物製作所三代目の研ぎ師・宮脇大和。伝統的な手法により極限まで研ぎ上げられた刃は、切れ味抜群です。
研ぎ師 宮脇大和
プロフィール
37才の時に会社員を辞め、大阪の堺にて包丁作りの修行に入る。
妻の実家、三寿ゞ刃物製作所の二代目 鈴木明氏の逝去に伴い、三寿ゞ刃物製作所三代目に就任。
伝統の形状を守りつつ、より使いやすい道具づくりを探求し続けている。
店名:三寿ゞ刃物製作所
名前:宮脇大和
職業:包丁職人
HP:http://www.3suzu.com
電話:0794-82-0442
子どもたちに職人の知恵や技術を体感してもらいたい
私は研ぎ師なので、切れ味を最大限まで高めるのが仕事です。完璧な刃を追求し続け、一生の仕事として挑んでいます。
この「未来の匠」Hyogoは包丁職人だけでなく、いろいろな職人の知恵や技術が詰まった1本です。
道具としての価値はもちろん、様々な人の思いが詰まったとてもメッセージ性の強いものである事を知り、子どもたちに実際に体感してほしいと思っています。
鍛冶職人 田中誠貴
プロフィール
700年の歴史を誇る福井県の越前打刃物。
その中でもマグロ切り包丁を手打ち鍛造している日本で唯一の職人として現代の名工に認定された伝統工芸士のもとで包丁鍛冶の修行を行う。
その後実家の田中勉鎌製作所を継ぎ、屋号を田中一之刃物製作所と改め四代目に就任。
現在は鍛造から手作業で包丁を作り上げる包丁職人として、金物の町三木市内でもその名を轟かせている。
社名:田中一之刃物製作所
名前:田中誠貴
職業:包丁職人
HP:https://www.miki-japan.com/blacksmith/tanaka-seiki.html
電話:0794-82-5660
自分の為だけに作られた本物の包丁を手にする事で道具に愛着を感じてもらいたい
使い捨てが当たり前の現代の世の中では、自分の為だけに作られた一生モノの一品を、中々手にする機会がありません。量産のおもちゃのような刃物ではなく、鍛えられた鋼で作られた「刃物」の切れ味を試してみて欲しいと思います。
伝統の技法を用い職人が丁寧に作った包丁から生まれる本物の切れ味を実際に体感してほしいと思っています。
製造工程
材料を切り出す
鍛造と焼なまし
形とり
焼入れと焼戻し
「焼入れ」と「焼戻し」
包丁に必要とされる硬さを出す為には熱処理という工程が必須です。
熱処理はおもに「焼入れ」と「焼戻し」の2種類の工程に分けられ、高温の状態から急冷し、鋼を硬くする工程を「焼入れ」と言います。鋼は、焼入れをするととても硬くなりますが、衝撃等で刃が欠けやすく脆い為、硬くなった鋼を低温で加熱し柔らかさを少し戻します。この工程を「焼戻し」と言います。
切れ味を「極める」
鍛治職人が鍛え上げた強固な刃を、食材をスムーズに切る為の道具へと昇華させているのが研ぎ師です。包丁一本一本の状態を見て、作業ごとに砥石の種類を変更し手作業で研いでいく為、非常に手間と時間がかかります。この作業を経る事によって切れ味は最大限に高められ、刃こぼれしにくく、研ぎ直せば何度でも使える包丁が完成します。
刃付け
ミガキとボカシ
刻印と柄付け
完成
宮脇大和氏インタビュー
田中誠貴氏インタビュー