250年の歴史
波紋に織り成す「鍛治人」の想い

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プロジェクト参加者紹介

日本最古の"鍛冶のまち”三木市の中でも、唯一「鍛造」から手作業で包丁を作り上げる事ができる職人 田中一之刃物製作所四代目「田中誠貴氏」にインタビューを行いました。

田中氏の紹介1

【包丁職人】
田中誠貴

【オフィシャルページ】
みきかじや村

【電話】
0794 - 82 - 5660

【経歴】
700年の歴史を誇る福井県の越前打刃物。
その中でもマグロ切り包丁を手打ち鍛造している日本で唯一の職人として現代の名工に認定された・伝統工芸士の元で包丁鍛冶の修行を行う。
その後実家の田中勉鎌製作所を継ぎ、屋号を田中一之刃物製作所と改め四代目に就任。
現在は鍛造から手作業で包丁を作り上げる包丁職人として、金物の町三木市内でもその名を轟かせている。

【出展】
アウトドアデイジャパン東京2018、東京インターナショナル・ギフト・ショー

【コラボ企画・提供・販売】
播鍛プロジェクト(河島産業)、ロリータ包丁amenoma(折井匠、藤原千栄)

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「本当の切れ味」にプラスアルファ―の何かを取り入れて行きたい。

包丁職人の道に進んだきっかけとは

きっかけは、鍛治職人の家に生まれたからです。元々は草刈り鎌を作っていましたが、時代のニーズに合わせて包丁鍛治に移行する事に決め、現在に至っています。

地場産業や伝統技術の現状について

職人や鍛冶屋というと、昔のやり方や売り方にこだわるイメージがあるかもしれません。実際、伝統工芸や技術は閉鎖的な一面があるとも思います。でも、これだけ情報が行き交う時代なんだから職人も外の世界を見て、必要な情報や新しい気づきを作品に盛り込みながら、使う人に合わせてより良い物を発信して行くべきだと考えています。

今後の活動や目標など

伝統を受け継いでいる職人である以上、洗練された伝統技法を守り良い物を追求して行く事は使命だと思っています。
同時に、アウトドアが好きな人や料理人など、細かくターゲットを絞り、その人達のニーズに合わせて釣り専門のナイフや特殊料理専用包丁など作りつつ、自分の技術を盛り込んだオリジナリティのある刃物を作っていく戦略が今後、職人が生き残っていく上ではとても重要な事だと考えています。
手作業で価格がはる分、よく切れる包丁は当たり前だと思うので、それ以上の「面白い」って感じてもらえる何かを見つけるよう工夫して行きたいと私は考えています。

本物の刃物の切れ味を知った上で「量産品」を選択する事と、「おもちゃ」しか知らない人生では全く違う。

なぜこのプロジェクトに参加したか

使い捨てが当たり前の現代の世の中では、自分の為だけに作られた一生モノの一品は、中々手にする機会はありません。 
それは、モノを大切に使い、手入れをするという当たり前の事がどんどん失われていく事に繋がっていく気がしています。
そんな時にプロジェクトの代表を務める西原さんから、「子どもたちに切れないおもちゃの包丁じゃなくて、切れる本物の包丁を使わせてあげたい。」ってお話を頂いたんです。
自分の為だけに作られた本物の包丁を手にする事で道具に愛着を感じてもらい、道具の正しい使い方や、長く使うための手入れの仕方などを次世代の子どもたちに学んでもらういい機会だと思いましたので参加いたしました。

プロジェクトを通して伝えたい事など

量産のおもちゃのような刃物ではなく、鍛えられた鋼で作られた「刃物」の切れ味を試してみて欲しいと思います。
伝統の技法を用い職人が丁寧に作った包丁から生まれる本物の切れ味を実際に体感してほしいですね。

神戸や日本の皆さまへのメッセージ

包丁職人として、伝統を担う者として、これからも良い包丁を追求して行きたいと思っています。
また、閉鎖的に思われがちな職人のイメージを打ち破っていけるようにこれからも努めます。